今年も原田泰治オリジナルカレンダーができました。
数字が大きく見やすい、おしゃれなカレンダーです。6枚綴りで季節それぞれをイメージした絵が彩ります。
新作の絵もカレンダーに入っていますので、ぜひお手に取ってチェックしてみてください。
皆さんのお部屋に掛けて暖かく懐かしい原田泰治の世界を楽しんで下さい。
サイズ 540×363(㎜)
価格 1,620円(税込)
お買い求めは「諏訪市原田泰治美術館」または、お取り扱いのある長野県内の「平安堂」にて、お求めください。
カレンダーについてのお問合せ先
諏訪市原田泰治美術館 http://www.taizi-artmuseum.jp/
お問合せ先 TEL : 0266-54-1881
画面上の色と実際の色は異なる場合があります。ご了承下さい。
記事後半に6枚の絵とそれぞれ絵の説明を載せてみましたので、ご参考になれば幸いです。
お正月はことのほかのどかで静かに感じる。
子供たちのはしゃぎ声が新しい年を迎えたよろこびに聞こえる。
凧の材料も種類も時代とともに変わったが、大空に舞う凧を見ると凧作りに熱中した子供の頃を思い出す。
坂を登りきると、桜や色とりどりの花が満開の赤井集落に出た。それにもまして目を引いたのは、大きな木2本に見守られた茅葺屋根の民家であった。
近頃では、茅葺屋根は移築され、ドライブインの片隅やそば店に改築されたりしているのを見かけるが、これだけ手入れをされ、しかもきちんと生活しているのだから魅了されてしまう。前方の山に目をこらすと、砥石城跡を望み、歴史との関わりも良く分かる。春の野は、野良仕事に精を出す人々の姿があった。なんだか、こんな光景を見ていると自然と童謡を口ずさんでしまう。懐かしい情緒あふれる風が流れる真田の里であった。
山に向かい左右の小さな集落を道沿いに進む。遠くから見るとなかなか雰囲気のある景色なのだが、近づくと期待を裏切られる。そんな繰り返しをしながら行くと、山ふところの集落、青垣にやっとたどり着いた。茅葺の民家や川のせせらぎが聞こえる。静寂な集落であった。かつては、茅葺の家が多かったのだろうが、屋根はトタンをかぶせてあり、その面影を残す民家が多い。初孫の誕生だろうか、鯉のぼりがなびいてる。懐かしい日本の田舎が手つかずのまま残る静寂な集落につい佇んでしまった。
数人の子供たちが色とりどりの浮輪にのって、海水浴を楽しんでいた。この時期、海水浴場はどこもいもを洗うようなにぎわいだが、この浜は違う。のどかな海で、となり近所の友達とあきることなく夏休みを過ごすのであろう。やがて、この島から都会へ旅立っても、島の思い出と海の色はいつまでも心に刻みこまれ、洗い流されることはないだろう。
黄金色の田は、収穫を終えると寂しい刈田になる。でも農家の人たちの表情は明るい。きっと今年も豊作だったのであろう。田では、来年にそなえ片づけが始まり、たき火の煙が集落にたなびいた。山の紅葉が夕日に染められ、ひときわあざやかだ。農家の人たちは冬支度におわれ、休む暇もない。
どんよりとした灰色の空は、いつ雪が降り始めるかわからない雪国の色に見えた。除雪された道から一歩はずれようものなら胸までうずもれてしまう集落で、一本の川だけがいつもと変わらぬ流れをみせていた。